トータルサポーターの視点 原田具則

国や地方公共団体の公共工事予算は、ピーク時から見ると土木工事を中心として4?5割にまで削減されています。落札価格も低い水準です。
かたや民間工事と言うと、新築工事の伸び悩みや、公共から民間へシフトした業者との競合等によって、受注件数・受注単価ともに悪化しています。(ただし、リフォーム工事やセカンドハウスの建築では、売上を伸ばしている企業もありますが・・・。)

このような状況の中で、会社を存続させるために、新分野進出や経営革新を図る建設業者が出てきています。

ここでは、建設業が経営革新や新分野進出を図る際の原則的なポイントについて、少しお話をしてみたいと思います。

さて、企業の新分野進出や経営革新の判断は、誰が行うものでしょうか?
結論から言うと、新分野進出や経営革新を行うか否かは、経営者であるあなたが決めます。それは、新分野進出・経営革新の意思決定が企業組織の中でも最高位の意思決定に属するためです。

パート従業員が、企業の新分野進出の方向性を決めるでしょうか? 営業課長が、経営革新を推進するでしょうか?
彼らは、事業案を出したり、事業の担当者になることはあっても、最終的に意思決定することはできません。企業の戦略の方向性を決定する戦略的意思決定は、トップマネジメントであるあなたが行います。

 

新分野進出・経営革新の方向性は、次の4つに分類されます。

1市場浸透戦略―既存の顧客に対して、より深い営業活動を行います。
2新市場開拓戦略―既存顧客とは異なった顧客層に、アプローチします。

3新製品開発戦略―新たな製品の製造・新たなサービスの提供を行います。

4多角化戦略―製品と市場を同時に変化させて、新規事業に取り組みます。

今後の建設業の事業の方向性
今まで建設業は、何十年間も?市場浸透戦略をとることだけでも、十分に利益を上げて、会社を存続していくことができたと思います。

今後は、1新市場開拓戦略、2新製品開発戦略、3多角化戦略をとる必要性が出てきます。

建設業の新たな事業の方向性としては、周辺事業では住宅リフォームや不動産事業、多角化事業では農業分野、リサイクル分野、福祉分野などが代表的です。

例えば、農業分野に進出した場合、メリットとして土木の重機が活用できますが、デメリットとして投資回収期間が長くなります。また、福祉分野に進出した場合、メリットとして建物建築費が安く済みますが、デメリットとして介護福祉のノウハウ習得に時間がかかります。

新分野進出・経営革新を図ろうとする建設業者は、自社の強みが活かせる分野、利益率が高い分野、市場のパイが急速に拡大する分野など、自社に有利な事業分野を選択して進出することが重要だと思います。